2010年1月
春日局と左甚五郎
皆さんは春日局についてどんなイメージをお持ちでしょうか?たいていの方は、「家光の相続を家康に直訴した功臣」といった歴史上の情報に限定される場合も多いと思うのです。 でも、実は生前の、しかもほぼ美しい女盛りの時期の彼女の肖像は現存しています。それも天才彫刻家の作品として。作者は左甚五郎。 伝説の名人です。
日本建築の装飾彫刻や鋳物の世界にいる者なら、知らない人はモグリです。
この像は多分、実物大でできていて、きちっと正座しています。家光の時代から400年近くも。
私個人的には左甚五郎の東照宮の彫刻群よりも、この春日局の姿を実写的に作り上げた「作品」が好きです。
この彫像は家光自身が乳母の思い出を伝えるために造らせたので、多少の理想化はしていると思いますが実際の面影を残していると思うのです。
展示場は閑散としてお昼休みに誰もいない館内で彼女と対峙していると、ほんとに生きているように見えてきます。
端正なたたずまいで、何を問いかけても答えてはくれませんが。。
2010年1月22日 20:55 | Comments(0)
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大熊 幸彦
文化軽金属鋳造株式会社、3代目社長。鋳物伝統の街「西川口」の地で、アルミ鋳物ひとすじに真心あふれるサービスをご提供中。全国を駆け巡ります。