2009年12月
特注の大型門扉
弊社では今まで多数の鋳物門扉を製作・施工しています。 現場はそれこそ多種多様で開口12mの超大型門扉、それから宗教法人・学校法人・大使館・公営ギャンブル場まで一つ一つが脳裏に焼きついています。
門扉につける装飾も色々で、みんな素敵な特長を持っていますが、たとえばある大使館の鋳物門扉の模様でこんなことがありました。
それは星を夜空にちりばめたようなイメージなのですが、監理の先生(本国からお見えになった高名な先生だそうです)によるとオリエント文明の世界観を意味するとか。 それが旋律なのか、模様にシンボリックな意味があるのか。。ストーリーは何か?
もっと先生に教えてもらえばよかった。僕はもともとその手の好奇心がすごく強いので、必ずそこういう時は先生のそばをつかず離れず、機会を見てさっと近づいて教えていただくのですが、やはり言葉の壁が。。
ボク 「多くの現場をやってきましたが非常に独創的な意匠だと思います」
先生 「・・・・(無言)」
ボク 「この紋様は何かお国の文化をシンボリックに表現なさっているのでしょうか?」
先生 「・・・・(無言)」 ←無言だが、怒っているわけではなさそうな雰囲気。
ボク 「やはり日本のウェットな文化と違い、透き通った何かを感じますが」
やはり、言葉が通じない。 やむなく身振り手振りでマリオネット吉田みたいに,ハラショーを連発するも不発?
先生 「うにゃらららら〜」
突然に、好奇心旺盛の教え子に説明するみたいに熱意を込めて説明いただきましたが悲しいかな、まったく言葉が分からない。でも先生は、自国の文化に興味を示している異国の男に、知性あふれる眼差しでニコニコしながら何かを語っている。 なんだか暖かさを感じる。こういう雰囲気がすごく好きなんだなあ。
大使館の方 「これは我が国独自の伝統文化と宗教の融合、そして世界観を表現しているそうです」
門扉の模様は見方によっては楽譜みたいなイメージで、色々な宗教でも説法の際に音楽の旋律を用いますから、何か音楽と宗教哲学に関連性があるのではないかとも思いましたが、、どうなのかなー。。
もっとお話したかったのですがこれではムリ。残念だったなあ。。
2009年12月 6日 20:48 | Comments(0)
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大熊 幸彦
文化軽金属鋳造株式会社、3代目社長。鋳物伝統の街「西川口」の地で、アルミ鋳物ひとすじに真心あふれるサービスをご提供中。全国を駆け巡ります。