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川口鋳物屋日記

最初の金属

大航海時代を描いた映画の(確か「1492」だったかな)のなかで、落ちぶれた晩年のコロンブスが窓の外に聳え立つ教会の尖塔を示して「最初にあれを作った人間が一番偉い。。]と言い、その後一人になって「私もそうだった。」とつぶやくシーンがあって、やけに感激した記憶があります。  なんでもそうだけど、それまで無かった事を創造するのって本当に大変だと思うのです。  鋳物を身近に見られる私が思うに、最初の鋳物の誕生ってやっぱり長時間火を使って(たとえば土器を焼成しているとき、あるいはじっくり熟成ヤキブタ作ってるとき)の偶然の重なりだと思います。 

人類が金属を利用した歴史は意外に古くて、最初は隕鉄を磨いたりしたらしいのですが、初めて金属を組織的に「精錬」したのは エジプトだったと思います。 中国よりはるかに早いね。 それも前40世紀頃(!)女性は化粧用に銅をふくむクジャク石で目をふちどっていたのですが、あるとき、そのクジャク石を火のなかへ落としたところ、その鉱石が還元されて銅の玉になっていたというのです。

ほんとかいな?

 しかし、私みたいなうっかり者は、古代エジプト人にもいたはず。 これは、誰かが十分しでかしそうな話。。貴重品のクジャク石を落っことしてマジ焦るボク。 みんなから責められたその時、「こんなとこで、 焼肉すっからだ。俺シラネ」なんて言わないで、そのときこそ「一番最初にこれを作った人間が一番偉いのよ。」と言わないと。

  WS000033.JPGクジャク石 銅を含んでいます。

2009年10月15日 19:17 | Comments(0) | TrackBack(0)

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プロフィール

大熊 幸彦
文化軽金属鋳造株式会社、3代目社長。鋳物伝統の街「西川口」の地で、アルミ鋳物ひとすじに真心あふれるサービスをご提供中。全国を駆け巡ります。

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